この夏、多くの方々の協力をいただき拾い集めた6万粒にのぼるタブノキの種子たち。
これらのタブノミは当協議会に協力いただいている全国の育苗協力団体に送られ、ポット苗として育てられます。
しかし、拾ったままの種子をそのまま送るわけには参りません。
「精製作業」と呼んでいる一手間をかけます。
作業の様子を報告します。
タブノキは液果と呼ばれ、ドングリと異なり果実の中に種子が入っています。
この果肉を除去する作業を行います。
まずは水に漬けて、果肉を柔らかくふやかします。
柔らかくなった果肉を剥いて、中の種子を取り出します。
手作業で一粒ずつ剥いていきます。乱暴に扱うと傷ついてしまいます。
タブノミ特有の匂いが広がります。
また、タブノミの脂が手に付き、手のひらがすべすべになります。
中から出てきた種子は直径1cmほど。潰れたお饅頭のような楕円形をしています。

採種日、採種地ごとに分けてある採種されたタブノミ。

果肉を除去され、再び採種日・採種地ごとに袋に詰められます。
種子はいつ、どこで、誰が採種したものか記録して、袋に詰められます。
育苗されるところにはこの袋ごと送られます。
しっかりと根を張ったポット苗となって、戻ってきてくれることを願っています。