震災直後より被災地で現地調査を行い、いち早く「いのちを守る森の防潮堤」の必要性を指摘、 当協議会の取り組みの契機となった宮脇昭横浜国立大学名誉教授を紹介いたします。
国内はもとより、世界各地で植樹を推進する現場主義の植物生態学者として、これまで国内外1700ヶ所以上で植樹指導し4000万本以上の木を植えている。
徹底した現場調査から、その土地に自生し、最も安定して存続する樹種群(潜在自然植生)
を探し出し、それらの苗を育て、多種類の苗を密植・混植させ、自然の成り行きに任せて競争・共存させ、自然の森のような状態に植える手法を提唱、実践している。
それまでは何百年もかかるといわれていた森の再生が、その手法によって十数年という単位で成功することを証明した。
地球規模の森林破壊や地球温暖化が加速、自然のゆり戻しである大災害にも負けない豊かな森を再生することを緊急の課題とし、すべてのヒトのいのちと心と遺伝子を守り、地域、経済、豊かな社会を支える”いのちを守る本物の森づくり”、“いのちを守る森の防潮堤づくり”を提唱している。
宮脇昭
1928年岡山生まれ。
理学博士 広島文理科大学生物学科卒 ドイツ国立植生図研究所研究員となる。
横浜国立大学教授、国際生態学会会長などを経て、現在、横浜国立大学名誉教授
財団法人地球環境戦略研究機関国際生態学センター長
紫綬褒章、勳二等瑞宝章、ブループラネット賞(地球環境国際賞)などを受賞。
「日本植生誌(全10巻)」至文堂
「植物と人間-生物社会のバランス-」NHKブックス
「緑環境と植生学-鎮守の森を地球の森に-」NTT出版
「明日を植える-地球にいのちの森を-」毎日新聞社
「次世代への伝言 自然の本質と人間の生き方を語る」地湧社
「瓦礫を活かす「森の防波堤」が命を守る」学研新書
「「森の長城」が日本を救う!」河出書房新社
「森の力」講談社現代新書
関連書籍
一志治夫 「宮脇昭、果てなき闘い」 集英社インターナショナル