輪王寺の森づくり

宮城県仙台市にある輪王寺は「北山五山」のひとつで、仙台伊達氏ともつながりの深い東北を代表する名刹です。
かつて本堂へ登る参道は両側を杉並木が囲う荘厳なたたずまいでありました。

しかし幹線道路の渋滞緩和のため、トンネルを掘る計画がもちあがりました。
トンネルは輪王寺の参道の真下を通ります。
開削工事にて施工するため、参道の杉並木は伐採されることを余儀なくされました。
そこで輪王寺住職、日置道隆はこの参道に緑を復元すべく「ふるさとの木によるふるさとの森づくり」を実践しました。
2004年6月19日に第一回の植樹祭を実施してから、足かけ5年にわたり森づくりを継続し、 30,000本にのぼる苗木を植えました。

現地調査に基づき選択された植栽樹種は、分布域の北限に近いものもありましたが良好に成長し、植樹から9~14年を経過した今では立派な森となって参拝する人々を迎えています。
震度6という大変な震災に見舞われた仙台市ですが、輪王寺に植樹された木々はしっかりと根を張り、斜面を守り、1本も倒れることなく屹立しています。



 

 

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