実施報告 どんぐり精製作業

多くの方々の協力をいただき、拾い集めた30万粒にのぼる広葉樹の種子たち。
これらのドングリを中心とした種子は当協議会に協力いただいている全国の育苗協力団体に送られ、ポット苗として育てられます。
しかし、拾ったままの種子をそのまま送るわけには参りません。
「精製作業」と呼んでいる一手間をかけます。
作業の様子を報告します。

育苗協力団体へ種子を送付するにあたり、受取り後すぐに播種してもらえるように下ごしらえをおこないます。
どんぐり類からです。

まず。水で洗い、ゴミを選り分け、浮いてしまう不良種子を取り除きます。
山野で拾ったドングリには「どんぐり虫」と呼ばれるシギゾウムシなどの昆虫の幼虫が入っていることがあります。このイモムシたちを退治するため、採種してきたドングリはバケツの水に漬けます。

この状態で1昼夜以上漬けておきます。
水に漬けられ浮いてきたドングリ虫たち
(クリックするとモザイクが取れます。※閲覧注意)

網の上に広げ、水気を飛ばします。
樹種ごとに、採取地ごとに袋に梱包され、育苗団体へ送付されます。
「堅果」とよばれるドングリの他に、タブノキやシロダモのように「液果」と呼ばれる果肉を持つ種子もあります。これら場合はこの果肉を剥く必要があります。
来る日も来る日も皮剥きと奮闘した戦士には勲章が与えられます。
洗ってもなかなか簡単に消えてくれない果肉の染みです。
拾ってくれたみんなの顔を思い出しながら、受取り育ててくれる育苗団体の仲間たちを思い、苗木として育ったあかつきには植樹してくれる参加者の方々を思い、大きく育った木々を見上げる被災地の人々を思いながら、もくもくと作業は進みます。
春には発芽報告をお届けします。