福島県南相馬市は東日本大震災において極めて大きな被害を被りました。
さらに続いて発生した福島第一原子力発電所事故により復興がなかなか進まないという現状に苦しんでいます。
震災から2年半が経過した10月6日秋風の下、鎮魂の祈りを捧げ、復興を祈願する、南相馬市市民による植樹祭が実施されました。
2,700人を越える参加者の手によって、20,000本の苗木が植栽されました。
植樹祭の模様を報告します。
南相馬市南右田地区は海岸からわずか250mの距離にあります。
かつて松林ごしに潮騒が聞こえていた浜辺は跡形もなく、流されてしまいました。
今回、真野川の左岸に造成された植栽マウンドは幅50m、延長100m、高さが4.5mあります。
このマウンドに16種類20、000本の潜在自然植生の苗木が植栽されました。
相馬野馬追いで用いられる勇壮な法螺貝が、音を絞り深々と響く中、黙祷から植樹祭はスタートしました。
来賓の方々の挨拶の後、宮脇昭横浜国立大学名誉教授による植樹指導が行われました。
参加者は49のブロックに分かれ、南相馬市役所職員がリーダーとなって植樹作業が進められました。
16年前から宮脇先生の指導を受けて、植樹を行ってきた南相馬市では森づくりは一つの地域文化になっています。
20,000本の苗木は一本一本、思いを込められて植えられました。
この植樹祭が福島県の復興の号砲となることを祈って止みません。
各紙面にも取り上げられました。