気仙沼市で市民主導の「森の防潮堤」づくりがスタート 7/4

宮城県気仙沼市で住民主導で「森の防潮堤」づくりがスタートしました。
記事を転載します。

住民主導で始まった森の防潮堤の造成工事
河北新報7/4

 東日本大震災で大きな被害を受けた気仙沼市階上地区で、「森の防潮堤」の造成工事が行われている。津波の減衰効果を備え、震災を後世に語り継ぐ「鎮魂の森」としての活用も目指している。

 地域住民らによる自主組織「海べの森をつくろう会」が中心となり、2日、工事に着手した。海岸から約300メートルの住宅跡に高さ約2メートルの小高い丘を築き、ツバキやタブなど根が深く張る照葉樹を植える。

 宮脇昭横浜国大名誉教授(森林生態学)が提唱する「いのちを守る森の防潮堤プロジェクト」とも連動する。震災がれきを活用して造成する多層構造の森が「緑の壁」となり、津波のエネルギーを減衰させることを期待している。

 現場では、津波で一家3人が流された。会は犠牲者の一人で小学校教諭だった畠山登美子さん=当時(52)=の歌碑を設置し、震災の記録を残すことも計画している。

 会はことし1月、地元住民ら十数人で結成。5月末には宮脇名誉教授を招いた講演会も開催し、新たな堤防整備の在り方を検討してきた。

 菅原信治代表は「地区内には観光地の岩井崎もあり、景観を守る意味でも森の防潮堤は必要だ。コンクリートの防潮堤を否定はしないが、津波の減衰効果がある森の防潮堤を地区内に広げていきたい」と話している。

(河北新報 2012.07.04)