自民党環境部会 コンクリート巨大防潮堤に疑問 12/7

コンクリート防潮堤の見直しに向けて議論が進んでいます。
住民不在のまま進んできた巨大防潮堤計画にようやく冷静な目が注がれようとしています。
記事を転載します。

 東日本大震災の被災地で進む巨大防潮堤の建設について、自民党内から「沿岸がコンクリートだらけになり、観光に悪影響がある」などと計画の見直しを求める声が出始めた。公共事業拡大路線の自民党では異例だ。この動きを受け財務省も、建設計画を練り直す時間を確保できるように、復興予算が使える期間を延長することも検討し始めた。

 

4日の自民党環境部会では、岩手と宮城両県の住民団体から異論が相次いだ。岩手県の住民は「震災直後には高い堤防を求める声もあったが、最近は巨大な堤防はいらないという人が増えている」と訴えた。

 

防潮堤建設を考え直す運動に関わる首相夫人の安倍昭恵さんも出席。「首長まで届かないところに反対意見がたくさんある。必要なところ、そうでないところをもう一度考えてほしい」と話した。小泉進次郎復興政務官も「緑地や防災林を組み合わせるなど住民の声を大切にする形で進めてほしい」と同調した。
被災3県の防潮堤整備予算は約8千億円で、多くを国が負担する。沿岸部約370キロで最大約15メートルの高さの堤防を造る計画だ。復興予算による災害復旧事業は2015年度までしか予定されていないため、自治体は再建を急いでいる。

 

ただ、ここへきて住民からは「防潮堤が高すぎる」という不満が高まっている。防潮堤の高さは11年7月に国が基準を示し、それから2~3カ月で各自治体が決めた経緯があり、生活の再建を優先させていた住民の声が十分に反映されなかったとしている。

 

公共事業費の増額を求める議員が多い自民党だが、防潮堤の見直しについて党環境部会の片山さつき部会長は「反対する人はあまりいない」として、理解は得られる見通しを示した。

 

また、この日の環境部会に出た財務省幹部は「復興予算の繰り越し、災害復旧事業の期間の延長には個々のケースを見て柔軟に応じる」と、見直しに対応できる考えを示した。

朝日新聞 12/7